琵琶湖 雪の三上山巡礼トレイル、自分を解き放つ旅

 

前回に引き続き、冬の琵琶湖の話です。

今日は、琵琶湖の東側を南下した野洲(やす)という場所にある三上山(みかみやま)。2年前の冬に訪れました。

三上山は、別名「近江富士」とも呼ばれ、ピラミッド型をした不思議な形の山です。

 

mikamiyama

雪の三上山。まさにピラミッド。

 

夢から三上山に導かれるまで

山の頂上の夢

 

探究から日が浅いある日、夢を見ました。それは、父と山を登っている夢でした。

頂上にいる父が自分の手を下から登っている私の方に出して、私を引っ張りあげようとする。

次はお前が登りなさい。場所を代わる。

と父が私に言っている夢でした。

そこから、

世代交代とは?
父親(男性性)の純粋な意味って何?

 

色々考えました。

 

ちなみに、こちらの記事に夢の読み解き方法を詳しく書いています。

 

そして、その日から、

nocco
どこの山に導かれているんだろう、どこの山に巡礼に行ったらいいの?

 

と模索し始めました。

新幹線から見つけた山

 

そんなある日、メンターが京都から東京への移動中、新幹線の車窓から不思議な形の山の見つけました。京都と米原の間に見える山。

それまで何度も行き来している路線なのに、タイミングってあるのですね。

車内販売の人に尋ね、それが三上山だということを知ったそうです。

メンターは同時期に、エジプトのピラミッド、そして「エメラルド タブレット」について深めていました。

そこに突然登場したのが三上山でした。

 

野洲・三上山
三上山のある野洲周辺は、古史古伝ホツマツタヱでは、近江王朝・瑞穂の国と呼ばれていました。この中心にある近江富士と呼ばれる三上山は、この地の御神体として人々から深く信仰されていたそうです。山頂には、麓の御上神社の奥宮があり、磐座もある聖なる山。

ホツマツタヱについては、こちらの記事にも載せています。

 

三上山に話を戻します。三上山は古代から神聖な山だったのです。

nocco
三上山は、古代エジプトのピラミッドと同じ役割だったの?
三上山は日本古代のピラミッド? 
イニシエーションをする場所??

 

想像は膨らみます。

後から知ったのですが、スピリチュアル界では、三上山はよく知られている山だったのですね。

いずれにしても、三上山に導かれていることに間違いない、とメンターと私は確信したのでした。

 

さあ、三上山と決まりました。そして、

nocco
この山に登り巡礼することで、私は何を問われている? 何に気づくべきなの?

 

深く模索しながら、三上山巡礼トレイル当日を迎えました。

巡礼の第一関門、瀬田の唐橋

 

まずは京都から出発、琵琶湖の最南端、瀬田の唐橋(せたのからはし)へ。

瀬田の唐橋
近江百景のひとつ。「瀬田の夕照」として有名。
京都へ通じる交通の要塞とされ、戦乱の舞台にもなった場所。
この橋の下には大蛇が住む伝説もあった。(大ムカデ退治伝説)

 

setanokarahashi

ここが琵琶湖でも有名な瀬田の唐橋。

 

自分の感情に向き合う前に、1月の真冬の寒さがこたえました。

京都でちらほら降り始めた雪は、しだいに激しくなってきました。琵琶湖の湖面にかかる瀬田の唐橋はすでに凍り始めていました。

あまりの寒さで動けない。橋の近くにうずくまりました。

nocco
このまま今日の予定を進めるのか、それともここで京都に戻るのか。。。

 

立ち上がることもできず、しばらく悩みました。

メンターはモチベーション100%。さすが雪の中で幼少期を過ごした彼は、雪が積もっていくにつれてどんどん元気になるようでした。

反対に私は寒くて動けない。

nocco
このまま帰ったら、私の自己探究の道ももう終わりだなあ。。

 

そんな思いが駆け巡りました。そして、

nocco
どうしてこんなことになっちゃったんだろう。こんなに寒い思いをするなんて、何が足りなかったんだろう(涙涙涙)

 

色々考え続けました。まだうずくまったままです。

 

ふと思いました。

まず足りてなかったのは、物理的な準備。寒さ対策。

冬の琵琶湖に行くことを、安易に考えていました。真冬のトレッキングなどしたことがなく、東京の冬の街を歩く程度の軽装だったのです。凍えるのは当然でした。

 

突然、前向きに考え方を変えました。

nocco
次に来る時は、絶対にもっと重装備で暖かくして来よう! そうすれば寒くないはず!

 

すると不思議なもので、一生忘れられないくらいの寒さに耐えながらも、橋を渡り切ることができたのです。

nocco
巡礼に向き合う真剣さ、神聖なことに対する考え方も浅かったなあ。琵琶湖観光気分だった。

 

実は、この軽い気持ちは、まだまだこの先も続いてしまい、毎回繰り返すことになるのですが。。

 

その後その土地の守護神である建武大社へ。瀬田の唐橋を渡るとすぐに見えてきました。

 

巡礼の時は、その土地を守る神様のところへまずご挨拶に行きます。

自己紹介し、この地に来たこと、これからどこに行くかをお伝えしてから目的地に向かうようにしています。

ご祭神はヤマトタケルノミコト。参道は広く美しく、境内もとても気持ちのよい場所でした。

 

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雪の中、厳かな空気漂う。

 

 

三上山へ

 

そして、ついに三上山の麓、御上(みかみ)神社へ到着。三上山と同じ読み方ですが、こちらは「御上(みかみ)」と書きます。

本殿でこれから山に登ることを報告しました。人とすれ違うことなく、ひっそり静かです。

 

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雪に覆われた御上神社入り口。

 

神社の裏手へ周り、さあこれから登ろう!という時、雪は急に本格的に降り出しました。どう見ても大雪警報のレベル。

人通りもなく、静かに降り積もっていく雪。

メンターはそれでも予定を変えることはありませんでした。

 

nocco
ここまで来たら、もう登るしかないわ。

 

覚悟を決めて、雪の山へ入っていきました。

 

三上山は高さが432メートル、大袈裟に登山というほどの山ではないかもしれません。季節のよい時期なら、軽いトレッキング感覚で登れる山なのだと思いますが、登山道は雪に覆われています。

私は、それまでに山登りはほとんどしたことがなくて、さらに雪の山なんて初めての体験です。

おそるおそる足を踏み出し、悶々とした気持ちのまま、先を行くメンターを追って登り続けました。

ついていくのがやっとでした。

 

mikamiyama

ずっと無言。

 

 

幸いにも、雪山には鏡がないので自分の顔は見ていませんが、おそらく、

nocco
どうして私、こんなことしなくちゃならないの??(怒)

 

という怖い顔をしていたと思います。

もやもやした思いのまま、ずっと無言で登り続けました。

時折、メンターが立ち止まり、遅れを取っている私の手を引っ張ってくれました。

ついに三上山山頂へ

2時間黙々と登り続けました。

途中、気づくとあれほど降っていた雪は止んでいる!

凍える寒さはどこかに吹き飛び、汗ばむほど身体は暖かくなっていました。

そしてようやくあたりを見回る余裕が出てきました。

太陽の光が木々の間から差し込んでいました。純白の雪で覆われた森は、太陽で輝き、神秘的。

 

そして、ついに、、、山頂へ到着です!

雪と太陽が、「ようこそ、よく頑張りましたね!」と喜んで迎えてくれているようでした。

「雪山に自分で登った」という達成感が生まれて、今までに感じたことのないうれしさでした。

 

mikamiyama

山頂で喜びに浸っている様子。

 

 

山頂には磐座と鳥居がありました。三上山の奥宮です。

祈りを捧げるイニシエーションはこうして行われていたんだ、とリアルに実感できました。

 

mikamiyama

山頂の奥宮。

 

雪山登山の意味

山登りは自分との葛藤でした。

自分をみつめて、出てくる感情をひとつひとつ受け取る。

今回雪の三上山という舞台をセッティングされたことは、私の感情を浮上させるための演出だったんだなあ、とあらためて思いました。

雪が急に降ってくること、耐え難い寒さだったこと、山頂に行ったら快晴になったこと、、、全部。

登山の途中、メンターが雪の中を軽い足取りでスイスイ進んでいく姿を見て、悔しさや争いの気持ちが出てきたけれど、後から振り返ると、それは私の遅いペースを何度も振り返って、安全な場所を確かめるために先に歩いてくれていたのだと気づき、感謝以上に、自分が誤解していたことを素直に申し訳なく思いました。

雪の中を歩くことで、そのネガティブな感情をひとつひとつ浮上させ、気づき、浄化していきました。

雪がその浄化を手伝ってくれたのだと思います。

 

そもそも、三上山は、3つの柱を立てて、祈りの場としてシャーマニズムの中心となっていた場所です。

閉ざしていた感情を浄化して、霊的な機能を目覚めさせる、甦らせるためには最適な場所でした。

 

そして、父が出てきた山登りの夢にリンクする答えがここにありました。

時代、世代が変わって、役割が代わる、そのための準備、そのためには今の自分が変わらないとならない、要らない感情は手放さないとならない、ということでした。

 

mikamiyama

下山は太陽が降り注ぐ雪道。足取りはぎこちないですが、満足感で軽い。

 

スピリチュアル プラクティス

自分の夢を読み解いて、その前後に現れたシンボルと。繋ぎ合わせながらリーディング(読み解き)をしていく。

そこから自分たちの進むべき道を探す。

そして実際に行動してみて、さらに気づきを得るという「スピリチュアル プラクティス」スピリチュアルの本当の意味での実践です。

そして、それはメンターとの共同作業です。

ひとつの道を進もうと思う時、つまり人が自立をしようと思う時、軌道修正してもらったり、アドバイスをもらったりしながら同じ道を進むメンターの存在は計り知れないほど大きい。

あらためてそう感じています。

スピリチュアルな話に戻しましょう。

高次元からのメッセージを、チャネリングしたり宇宙語を話したりして受け取る人が沢山います。ですが、メンターも私も、メッセージを受け取る方式は少し違います。

そもそも、高次元からのメッセージは、誰にでも与えられているものだと思います。ただそれに普段気づいていないだけ。

日々できるだけ自分自身を良い状態に保ち、見る夢、身の回りに出てくるシンボル的なもの、目に浮かんでくるビジョンなどを丁寧に扱い、つなぎ合わせて読み解くことで、高次元からのメッセージを受け取ることができます。それがまさしく「シンボルリーディング」です。

 

三上山での体験は、まさにこの実践でした。

さらに驚くのは、ひとつの巡礼が終わるころ、必ず次へ続くシンボルが現れてきます。それは、夢だったりビジョンだったり、目の前に現れる物だったり様々な形で。

こうして私たちの探究は次へ導かれていくのです。

私的旅情報

三上山は晴れると山頂から琵琶湖が一望できるそうです。(私たちが行った日は残念ながら見えませんでしたが。)

京都から日帰りトレイルも十分可能です。

JR京都駅からJR野洲駅までは約30分。野洲駅から御上神社まではバスで20分ほどです。

 

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三上山は登山道の標識も出ています。

 

糀屋吉右衛門

三上山近くにある、小さな麹専門店です。

 

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お店の入り口

 

おじさんのお肌がつややかで透明なピンク色で「毎日麹を食べるとこんな肌になれるのかー」と感動。

明日の自分の肌を想像しながら甘酒や塩麹、味噌などを買って帰り、翌日に塩麹を使ったお豆腐料理を作ってみました。

琵琶湖周辺は発酵文化が盛んな土地なのですね。地元の豊かな食生活をお裾分けしてもらったようでした。

 

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甘酒も美味しかったです。

 

石山寺

野洲よりもさらに南に位置する石山寺。京都からも近いです。

紫式部ゆかりの寺としても有名。

 

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石山寺入り口。迫力があります。

 

お寺全体が岩の上に建っているのだそうです。庭園も広く、見応え十分です。

石山寺は、紫式部がここに籠って源氏物語の構想を練ったと言われています。どんな風景を見ながら、何を思い、あのストーリーを作ったんだろう、と想像するだけでワクワクしてきます。

ブログをやりたい!と思っていた時期だったので、紫式部の美しい文章のエッセンスが少しでももらえたら、と強く願い祈りました。

 

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ちょっと不気味な気もしますが、紫式部がこうして考えていた、という様子を垣間見ることができます。

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風を感じながら、こんな緑を見ていたのかも。色々な発想が浮かびそうです。

 

また石山寺は、龍が住むといわれる池(八大龍王社)があり、岩の間から湧き出る水があり、パワースポット的な強いエネルギーを感じます。

巡礼トレイルまとめ

巡礼トレイルは、自分の内面をみつめて、気づく旅。

自分を否定して落ち込んだり、時には立ち直れないほど苦しくなる時もあります。

でもその途中には、ご褒美のような楽しさも待っています。その感動が重なりあい、自分の身体に忘れ難い記憶として刻まれていくのかもしれません。

巡礼トレイルが何なのかよく分からなくても、神社に行くことやトレッキング、まずは行動してみるだけでもよいのではないかと思います。

続けていくうちに、自分の感情が浮き上がってきます。それを「どうしてだろう?」深く探り、解放していくことで、自然と巡礼トレイルという形になります。

心と身体が満たされていく感覚

これこそがまさに、ウェルネス&スピリチュアルメソッドの実践編といえるでしょう。

 

きっと今、皆さんも、「どこか巡礼トレイルに行きたい!」と思い始めたはずです。

 

nocco
今日も読んでくださってありがとうございました。

 

nocco